JMS人と医療のあいだに

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経営方針

経営方針

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、1965年の創業以来「かけがえのない生命のために」という創業精神の下、「医療を必要とする人と支える人の架け橋となり、健康でより豊かな生活に貢献することですべての人々を笑顔にします」という企業理念を実現するため、医療現場の課題を的確に捉え、その解決に真に役立つ価値の創造と提供に努めております。こうした企業活動を通じて、株式会社として適正かつ効率的な運営を図り、健全な利益を確保して企業価値を高め、株主・患者さん・医療従事者・取引先・地域住民等全てのステークホルダーの皆様の利益・幸せを実現することを当社グループの経営方針としております。

(2)経営環境

当社グループを取り巻く環境は、日本国内では、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)のワクチン接種などの対応により、外来患者の受診控え、不急の手術・処置の延期等の状況が改善され、需要は回復基調にあります。2023年5月には新型コロナの感染症法上の位置付けが5類へ見直されるなど、新型コロナ規制緩和等により、今後も需要の回復は継続することが予想されます。海外においても、世界的な高齢化の進行や健康志向の高まり、先進医療に対する期待や新興国の需要増加を背景として医療機器需要は安定的に成長を続けており、今後もこの傾向は続くことが予想されます。このような環境下においても、医療機器市場の見通しとしては、医療DXの流れから、オンライン診療や収集・分析したデータの活用等による医療現場の負荷軽減や医療サービスの効率化が求められるようになり、それに応えるための最適なソリューションの提供が重要性を高めていくと予想されます。

(3)中期経営戦略

当社グループは、2030年のありたい姿として、「未来の医療を先取りした新たな価値の創造を実現し、世界の人々の健康とQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の一層の向上を支える企業になる」ことを定めた長期ビジョンの実現を目指しております。短期的な収益性向上のみならず、社会の様々な要請に応えて中長期的に企業価値を高め、長期的耐久性を備えた会社へと変革を図るとともに、ステークホルダーの皆様と協働して活動の輪を広げながら持続可能な社会づくりにチャレンジしてまいります。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループの事業活動としましては、輸液・栄養領域、透析領域、外科治療領域、血液・細胞領域の4つの領域を中心に事業を展開し、製品の開発、生産、販売を進めております。
(2)の経営環境を踏まえ、(1)及び(3)に記載の、経営方針及び中期経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は領域別に次のとおりであります。

輸液・栄養領域

医療安全、低侵襲に対するニーズは引き続き高まり、また、診療報酬改定に伴う医療機器へのコスト削減要求は加速しております。そのため、アライアンスを活用しつつ、輸液領域では、医療DXに寄与する輸液ポンプを中心に院内感染制御、注入制御、医療事故対策の課題を解決する製品をトータルシステムで提供することで、栄養領域では、栄養管理からリハビリ・回復までの栄養療法のトータルコーディネーターとなることで、医療現場での揺るぎない信頼を確立してまいります。また、オンコロジー領域への経営資源の集中による国内シェア拡大や海外展開の推進を加速させ、グローバルな主力事業として収益拡大を目指してまいります。

透析領域

地域の包括的な支援・サービスの提供体制が推進され、在宅医療へのシフトが進もうとしている中、透析領域では、患者さんのQOL向上と医療現場の省力化・効率化に貢献する安全、安心かつ高度な透析医療を提供する企業を目指しております。国内では、血液透析と腹膜透析の両システムの品揃えによる選択療法の啓発に加え、透析情報システムを中核とした医療DXを推進するほか、海外では、日本の優れた透析医療を中国に普及させるとともに、慢性腎臓病が増加しているアジア諸国へ販売を進めております。

外科治療領域

診療報酬の継続的な引き下げ等により、機能別・診療特化の病院再編が進む中、外科治療領域に加え救命・集中治療分野において、自社開発から製造、販売による高い信頼性の強みを活かした独自の製品及びサービスに、アライアンスにより強化した製品ポートフォリオを加えたトータルシステムで顧客ニーズに的確に応え、人々の健康寿命の延伸に貢献すべく、安全、安心の提案を進めております。

血液・細胞領域

血液領域では、高品質な製品の製造と販売を通じ、「採血から輸血まで」の各プロセスで欠くことのできないメーカーになることを、細胞領域では、血液や細胞の「採取から投与まで」に必要とされるデバイスを開発し、細胞・再生事業におけるイノベーションマネジメント企業になることを目指して活動を進めております。

(5)目標とする経営指標

当社グループは、成長性、収益性、効率性、安定性など全体バランスの取れた中長期的な業容の拡大を目指しており、売上高、営業利益、ROIC(投下資本利益率)を重要な経営指標としております。現在策定を進める中期経営計画において、これら経営指標の目標を定めたうえで、中期経営戦略にある基本方針と取組みに沿って長期的耐久性を備えた会社へ変革を図ってまいります。